2005年05月17日

吉行淳之介 / やややのはなし

吉行淳之介の「やややのはなし」というエッセイ集に収められている「自作再見『夕暮れまで』」という作品に、こんな文章を発見しました。


 『ところで、私はドビュッシイのピアノ曲が好きで、戦争中からずっと続いている。十数年前、サティが流行したことがあって、これはドビュッシイの親戚筋の身持ちの悪い男という感じで、その分だけ悪いところも良いところもある。しかし、やはりドビュッシイのほうが倦きない。「前奏曲」や「映像」には、一つ一つユニークな題名がついているが、おそらく曲ができ上がってから、遊び半分に付けたものだろう。』


この本は古本屋で発見して、パラパラと覗いた後に購入したのですが、そのパラパラのとき目に付いたのが「子供の時間」というタイトル。どうやら、「子供の時間」(子供の頃)というテーマの元に書かれた小品集の様子(この本の全てがそれというわけではなくて、それは一部)。なんとなく私の頭に浮かんだのは「Children's Corner」(「子供の領分」)というドビュッシーのピアノ曲集のタイトル。

別にそれとは関係なしに、面白そうなので購入したのですが、家で読んでいて上記の文章が出てきて私も「ややや」。ひょっとすると吉行淳之介がドビュッシーを好きであった、というのは有名なはなしなのかもしれませんが、私は知らなかったので意外なところで繋がって「ふ〜む」と唸ってしまいました。サティの説明も面白い。サティという人は相当の変わり者だったようですね。それが曲にも現れているような気がします(タイトルもヘンテコなのばかり!)。

「自作再見『夕暮れまで』」という作品は、「夕暮れまで」を書いたときの狙いの一つに、文字を使ってドビュッシーのピアノ曲のようなものを書いてみたいというものがあった、という内容で、「子供の時間」とは別の作品なのですが。

しかし、それを知ってみると・・・この本には「小道具たちの風景」という小品集も収められています・・・これもまた、ドビュッシーを思わせるような・・・というよりもサティ?

まあ、こじつけようと思えば、いくらでも繋がっていくものですが、何となく面白い。

「自作再見『夕暮れまで』」は「夕暮れまで」のある章が「海」という文芸誌に掲載されたという内容の文章で締められるのですが、ドビュッシーにも「海」という作品がありますね。面白い!

「海」に関しては、こんな興味深いエピソードも。(※ドビュッシーの「海」と葛飾北斎の絵との関係についての記事があったので、リンクを貼っていたのですが、ページがなくなってしまったようです。)


【追記】
一通り書いた後、ふと思い出したのですが、吉行淳之介の本のタイトルにそのものずばり「子供の領分」というのがありました・・・またまた「ややや」。
posted by siesta at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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