2005年07月13日

Albert Ayler / Spiritual Unity

Spiritual Unity

You never heard such sounds in your life.

「破壊せよ、とアイラーは言った」という、中上健次の有名な言葉があります。私はこの言葉を知っているだけで、この作品を読んだことがないので、本当にアイラーがそういったのか、中上健次がそのようなメッセージを勝手に受け取ったのか、定かではないのですが。

60年代に隆盛を誇ったフリージャズ。そして、そのシーンの中心人物の一人である、アルバート・アイラー。なにやら難しそうというか、しかめ面をして聴かなければいけないような気分にさせられますが、果たしてそういうものなのでしょうか?受け手が勝手に小難しく解釈して、敷居を高くしているだけのような気もします。

(アメリカの)フリージャズは、60年代の社会背景(公民権運動など)と実際強く関係のある音楽だとは思いますが、観念ばかりが増大して、観念に感覚を支配されてしまうのは、いただけません。気を楽〜にして、音楽そのものに耳を傾けると・・・

なにやら愉快な音楽・・・

3人のプレーヤーの、楽器による交感といった風情が面白い。聴いていると、なんだか心がまっさらになったような気分になって、元気がでる。

アイラーの場合、その壮絶な最期から、時代とともに去ったフリージャズの闘士というような、とにかくシリアスでハードなイメージがあります(ような気がする)。でも、例えば「Love Cry」という曲(アルバム「Love Cry」収録)。初めて聴いた時には、ズッコケてしまいました(ハレヒレハレハレ〜♪って・・・)。しかし、それが時代への挽歌のようにも聴こえてくるところがあったり(そう感じるのは、後になってその歴史を俯瞰することができるから、という理由が大きいような気もしますが)、その太い音色になぜか涙腺が緩むという感覚も・・・少なくとも暴力的な音楽であるとは、私は思いません。「Goin' Home(家路)」(先日取り上げた「遠き山に日は落ちて」)や、「聖者が街にやってくる」等の曲を吹き込んだアルバムもあります。いつか見た風景が、まぶたの裏側に仄かに映し出されるような演奏です。

最初に挙げたフレーズは、このアルバムを世に送り出した60年代を代表するフリージャズ(以外もあり)レーベル、ESP-Diskの(私の持っている)復刻版CDに印刷されているフレーズです(オリジナルのLPは見たことがないので)。好奇心を大いに刺激される、とても格好いいフレーズだと思います。

そしてもう一つ、レーベル(復活したのでしょうか?)のHPにも誇らしげに掲げられているフレーズが

The artists alone decide what you will hear on their ESP-Disk.

心を空っぽにしてこのアルバムを聴くと、暑い夏の日を爽快な気分で過ごせるかもしれません(涼しくはなりません)。
posted by siesta at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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